タイトルの「チェンジリング(Changeling)」は
チェンジリング=取り替え子。ヨーロッパの民話で、妖精が人間の子供をさらった後に置いていく妖精の子供。
という民話にヒントを得てつけたらしい。
「取り替え子」という日本語に背筋が凍るような不気味さを感じる。「チェンジリング」「Changeling」には感じないのに。漢字の威力ってすごい。しかも、相手が妖精じゃどうしようもないな、こりゃ…
という話ではなく、この映画は実話を元にしている。つまり相手は人間である。正直、これが実話じゃなかったら、奇想天外とも思える様々な展開にはついていけない…いや、ほんと想定外でした。まさに事実は小説よりなんとやら、である。
「あなたのお子さんです」「いや、違います」という議論も全くもって時間の無駄としか思えない。DNA鑑定の技術がまだない時代とはいえ身体的特徴を調べる方法はいくらでもある。
あきれるくらいの人権無視に加えて、すさまじいくらいの警察内部の腐敗…そんなことがまかり通っていた時代が生んだ悲劇。とも言えるけど、もっと単純な話、この悲劇を生んだ原因はただ『興味が無かった』だけのこと。
男性社会である警察にとって、女親と子供の組み合わせが合ってるかどうかなんてホント興味が無かったんだろう。残念ながら。